七五三 写真撮影の新技法が明らかに

七五三 写真撮影の新技法が明らかに

第一、出棺しようにもマンションのエレベーターにいまの棺桶は入らない。
非常階段をかついで折れ曲がって降りる間に、何かの拍子に遺体が飛び出して「うらめしや」などという事態になるやもしれぬ。 つまり現在の葬式のシステム、棺桶に遺体を横たえる寝棺システムというものが、高層アパートの生活とは合わなくなってしまったということである。
マンションのエレベーターに合わせてつくられた箱型の棺桶やそれに合わせた形の火葬場でも登場するか、葬式自体が変わるか、である。 生活のシステムというのはそういうもので、一部分だけ変えてもダメなのである。
それでは、人間の住まいのこれだけは変わりようがないといういちばん根源的なかたちは何だろうか。 私は、いつもそれをテントに求めることにしている。
あの登山やキャンプのときの必携品である。 まず、ふつうのテントというものは、寝る場所、すなわち寝袋なり毛布なりにくるまって横になるスペースと、リュックサックなどの携行品を置くだけのスペース、これだけである。
もちろんトイレも台所も、浴室もない。 これが、人間の生活のミニマムーリクワイアメント(最低必需品)なのである。
住まいを人間が生存するための生活財としてとらえるならば、その基本にはこのミニマムーリクワイアメントしかなく、ここを根源として発想されねばならない。 鴫長明の方丈の庵は、たためば車2輛でどこへでも運べたが、テントなら車も不要。

雨露をしのぐためだけ、という点でも住まいの原点といえよう。 なにも、いまさらテントの効用を説くわけではないが、要は、人間が生活してゆく原点に立ち戻って住まいを発想することが、むやみに外面を飾りたてたり、部屋数を増やしたりする建売住宅や豪華マンションに右顧左阿しなくてすむ近道であるということだ。
外観や間取りにばかり目を奪われず、自分の住まいに本当に必要な広さや、間取りのあり方を考えるべきであろう。 住まいとは、雨露をしのぎ、自然にとけこんだ日常のふつうの生活を送るところであり、他人の目を意識する虚栄の場ではない。
私はときおり、メガネとカメラというのは似て非なる商品だな、と思うことがある。 それは、レンズがはまっていることや、安いものから高価なものまであって価格の幅もよく似ているのだが、カメラのほうがはるかに高いパフォーマンスがあり、メガネのほうはすこぶる簡単である。
メガネは、そのデザインや材質で価格がハネ上がるにもかかわらず、実際の機能は、1万円のものも、10万円のものも大差はない。
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